前の記事で、なんのためにクロスフィットをやるのか?について書きました。
答えは、健康のためです。
では、健康とは何か?について話します。
最大酸素摂取量が健康のバロメーター
健康はどう評価するか1
健康の維持・増進には身体活動量を今よりも増やすことが必要とされています。身体活動量は長時間身体を動かす能力である全身持久力と強い相関関係があり、全身持久力を高めることが健康づくりに役立ちます。
全身持久力の高い人と低い人とを比べると、低い人の方が高い人よりも3~4倍死亡率が高いことがわかっており、全身持久力を高めて身体活動量を増やすことができれば、肥満や高血糖、動脈硬化などの生活習慣病の予防にも有効です。また、身体活動量が高くなることで活性酸素などの体に有害な物質も作られにくくなるという利点もあります。
全身持久力は最大酸素摂取量によって評価することができます。
最大酸素摂取量とは
「最大酸素摂取量は、個人が摂取できる単位時間当たりの酸素摂取量(l/分、あるいはml/kg/分)の最大値」2です。
身体を動かすためのエネルギーをつくるには酸素が必要で、最大酸素摂取量が大きいほど、強度の高い運動をより長く行うことができます。最大酸素摂取量は全身持久力を測る指標となるのです。
最大酸素摂取量を上げるトレーニング
このトレーニングこそクロスフィットなのです。
高い運動強度で実施する様々な実用的動作
最大酸素摂取量の計測方法は (l/分、あるいはml/kg/分)の最大値 です。
1分間にどれだけ多くの酸素を取り入れて処理する能力があるかです。
このことからわかることは、1分間=短時間です。
短時間で最大酸素摂取量を上げるには、
激しいトレーニング=高い運動強度が必要となります。
ここで質問です。
・マラソンの運動強度は高いですか?
ANS,
最大酸素摂取量の観点からみれば1分間の運動強度は低いです。
・マラソンは、短時間ですか?
ANS,
長時間です。
マラソンだけで健康は手に入るのか?
長距離系のアスリートは短距離系のアスリートに比べてフィットネスの面で優れている という間違った考えが一般的に広まっています。
そして、トライアスロン競技、自転車競技、マラソン競技の選手が世界最高のフィットネスを有するアスリートとして紹介されて いるのを度々目にします。
しかし、これは真実からはほど遠い誤解でしかありません。
持 久系のアスリートは健康的な心肺機能を維持するために必要な運動量をはるかに超えて トレーニングをしていきます。
そのため、筋力、スピード、パワーは低下し、さらに彼らが 連動性、俊敏性、バランス、正確性のためのトレーニングをすることは特になく、柔軟性に関しても月並み程度しか持ち合わせていないのが現状です。
これは優秀なアスリート と呼ぶにはほど遠い状態です。それに比べ、CrossFitアスリートは10種類すべての基礎的 身体能力(心肺持久力、スタミナ、柔軟性、筋力、パワー、スピード、連動性、俊敏性、バ ランス、正確性)をトレーニングすることにより、最善の身体能力を持っています。持久 系のアスリートは過度の有酸素運動により、スピード、パワー、筋力を総合的な身体能 力に障害をきたすほど低下させる結果となります。
トライアスロンの選手がレスリング、 ボクシング、棒高跳び、短距離走、球技などのスポーツをする上で、または消防士、警察官の任務を果たす上で理想的な身体機能を持っていないことは一目瞭然です。
このよう な状況下では、持久系のアスリートが彼らの競技で必要とされるより遥かに高いレベル でのフィットネスが要求されます。もちろん、マラソンやトライアスロン、その他の持久系 のアスリートであることが悪いと言っている訳ではありません。
ただ、長距離のアスリー トのようにトレーニングすれば、他の様々なスポーツで必要とされる身体能力の形成につながるかと問われれば、そうではないという事実を言っているだけです。CrossFitでは 相撲の力士、トライアスロン、マラソン、ウェイトリフティングの選手を「フリンジアスリー ト」と呼びます。
その理由は、このようなアスリートに求められる身体的要求がその競技 に特化しすぎているため、その他すべての身体的要求において高い成果を上げることの できる身体能力を持ち備えていないからです。最善の筋力とコンディショニングを持ち 合わせるエリートアスリートとは、10種類の生理的適応性をすべてバランス良く保有する 人物であり、持久系のアスリートの身体能力はこれに該当しません。